ERPをクラウドに移行させない理由はない Rootstockが移行をためらう理由を取り除いてしまった

 

By Phil Wainewright

2019年3月26日

 

要約: Rootstockは、Salesforceを使っている製造業の企業がERPのデータ、またはERP自体をクラウドに移行するためのデータフレームワークを提供します

 

 

 

 

既存のシステムからクラウドERPに移行することを企業が躊躇するのにも、もっともな理由が多くあります。クラウドに移行する場合のセキュリティや信頼性、アジリティについては、既に対応がなされているにもかかわらず、生じてくるだろう混乱や困難さを想像して、多くの企業がクラウドへの移行に踏み切れないでいます。おそらく最大の障害となっているのは、移行中や移行後における、データ統合の問題です。

 

製造業の中堅企業向けにクラウドERPシステムを提供しているRootstockは本日、そのためのERPデータフレームワークを始動させました。

RootstockのクラウドERPは、Salesforce プラットフォーム上のCRMに組み込まれ、現在Salesforce プラットフォーム上でCRMを運用している企業が、クラウドに移行する過程がスムーズになるように設計されています。

このフレームワークは、事前に設定されたERPデータオブジェクトを集めたもの(collection)です。それらは、製造業で使用される典型的なERPシステム(在庫管理、生産管理、原価計算、請求書、顧客のクレジット、返品など)に対応するように構築されています。

つまり、ここで重要なことは、Rootstockは、ERPデータをSalesforceにマッピングしたり転送するために必要となるカスタムオブジェクトの構築という大変な作業を、予め済ませてしまっているということです。そしてMuleSoft、Jitterbit、Dell Boomiなどの統合プラットフォームにプラグインできる双方向APIを提供します。

これは、既存のSalesforce Lightning Connectツールが提供する統合よりもさらに優れた統合です。Salesforce Lightning Connectツールの場合、ERPデータの可視性は、Salesforceの中でのみの提供であり、プラットフォーム上に実際に持ってくることはしていません。この点についてRootstockのCROであるDavid Stephans氏は、次のように述べています。

「我々がRootstock データフレームワークにおいて重視していることは、ユーザーが実際にデータを活用できるように、データをプラットフォーム上に送ることなのです」

顧客重視の戦略

Rootstockは、今後多くの企業がそれぞれのERPシステムをオンプレミスに保ちながら、ERPデータをSalesforceのインスタンスに結合させるために、データフレーム  ワークを使うようになるだろうと考えています。

ERPデータをSalesforceにマッピングすることで、Einstein AnalyticsやCommunity PortalなどのSalesforceアプリケーションにデータを取り込むこともでき、とらえにくかった個々の顧客に関するすべてのアクティビティを360度ビューで提供してくれます。

「あなたがERPで得ていたものが、いきなり進化するようなもの」とRootstockのCMO Tom Brennan.は言います。これは、より顧客中心の戦略をとろうとSalesforceへの投資を強化しようとする企業にとっては特に重要です。Tom Brennan氏は次のように続けます、

「我々の最近の成功例にみられる共通点の一つとして、導入企業の側がサービスについて明確な戦略をもっているということが挙げられます。今や、ERPとCRMが分離していては、サービスを向上させることはできません…。

SalesforceのセールスチームはSales CloudやService Cloudを販売しに行くと、客先で次のように質問されます。“我々は、お客様に良いサービスを提供するために必要な情報を得たいわけなのですが、どうやって私のもっている情報を入れ込む(push)のですか?”と」

ひとつの例は、グローバルな組織を横断して4つの、別々のERPインスタンスで長期にわたるSalesforceのユーザーであった油圧バルブメーカーのHydraforceのケースです。Rootstock フレームワークは、Salesforceの中での分析やレポーティングを行えるように、データを整理、統合することに役立ちました。

クラウドERPへの段階的アプローチ

Rootstockのデータフレームワークの有効性は、さらに2つのシナリオから見ることができます。

ひとつ目のシナリオは’2層のERP’で、この場合Rootstockを使用して子会社の事業やプロセスを管理しながら、その一方で残りの事業では、既存のERPシステムを維持するといったことができます。その一例がGerotechです。Gerotechは、幅広く製造用途のCNC機械の製造を行い、またそのサービスを行っている企業です。ここでは、Rootstockを使用することにより、Salesforceのフィールドサービスアプリケーションと統合させ、部品の在庫管理ができるようになりました。

もうひとつのシナリオは、本格的なERPの入れ替えです。この場合、データフレームワークによってデータの移行は容易に行なわれ、また実装に向けて段階的なアプローチをとることができます。多くの顧客にとって、このシナリオは、まずRootstockのフレームワークを何らかのモードで使い、その後で視野に入ってくる最終到達点となるでしょう。

ERPデータをSalesforceに持ってくる(bring into)ことが、クラウドERPへの抵抗を克服するための重要なステップとなるとStephans氏は言います。

「その抵抗感の正体の殆どは、未知のものに対する恐れです。あるCIOの話ですが、実際にERPデータをSalesforceに持ってくるにつれて、ERPをクラウドになんてとても無理だと主張するエグゼクティブチームに反論を唱えるようになりました。ですから、データをもってくるということが、心理的な抵抗を乗り越える‘橋’となるのです」

私の見解

中堅企業に対してERPをクラウド上に移すよう提案するということは、特に製造業のように比較的長い歴史をもつ産業分野の場合は、説得には大変な苦労を要します。そこでは多くの人は「今のままで支障がないのだから、今の状態を変えないでほしい」と考えています。しかし現在、顧客に対して臨機応変なサービスを提供することへの必要性はますます高まっています。

つまり“あらゆることをサービスとして提供”という考え方、すなわちdiginomicaで言うXaaSには、ERPデータを顧客対応システムにつなげることが、より重要になってきます。従ってRootstockの、より簡単にERPデータをつなげようと提唱していることは、時流に合った機敏な動きと言えるのです。そしてたんに現在のニーズを満たすだけでなくそこで実際にクラウドにデータを移すことで、何が改善されてゆくかをデモンストレーションすることもでき、それは後に大規模なERPの移動をする際の正当性の根拠となることでしょう。